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40歳までにおしゃれになりたい(仮)!

おしゃれは好き、だけど何かうまくいかないあなたへ。
トミヤマユキコさんと一緒に悩みながら、どうにか素敵女子を目指しましょう…!

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vol11

そしてオシャレ修行は続く!

vol01

変な服が好きな自分。若干ダサい自分。それらをまるっと捨て去りたいのではなく、必要な時だけ大人の女のコスプレをして、どうにか誤魔化したい……というのが、本連載の基本コンセプトである。「え?年がら年中オシャレでいるとか、絶対に疲れるでしょ!」という考えの持ち主が、ときどきでいいからオシャレな女に見られたいわ〜、という、非常に都合のいい願いを叶えるため、半年間あれこれ考えてきた。

早いもので今回が最終回である。一瞬で終わったと言ってもいいくらい、あっという間だった。雑誌をたくさん読み、自腹を切って買い物をし、プレスルームに潜入し、プロの手ほどきを受け……でも、いまだにパジャマみたいな服+ノーメイクで教壇に立ってしまう日がある。オシャレする時間があったら、ギリギリまで寝ていたいからだ。

けれど、スタボロの格好で講義をするわたしの心に、小さな光が明滅しているのを感じる。それは「わたしだって、いざとなったら、けっこうやるぜ?」という、ほのかな自信である。

もちろん、圏外ファッション愛好家として生きていくのも、悪いことではない。配偶者がアフロヘアなんだし、林家ペーパー夫妻みたいになれば、それはそれでけっこう可愛いだろう(ちょっとやってみたい気もする)。でも時折は、シックな大人を気取って、フランス料理のひとつも食べたいではないか(シックな大人のイメージが貧困なのは許してください)。

「いいんだもーん!わたしは一生圏外ファッションを楽しんで生きていくんだもーん!」とムリヤリ言い聞かせていた頃より、今のわたしは明らかに気分がいい。なんというか、好き勝手やる自由もいいけど、TPOに合わせてコントロールできる楽しさもあるよね、って感じ。


 オシャレの仮免、取得!
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【Vol.11<最終回>】そしてオシャレ修行は続く!(つづき)

vol01

コントロールできる楽しさ。それで思い出すのは、以前の連載で取り上げた、三十路のパーティ服だ。「ネイビーが正義!」という結論を出し、実際に服を買った。その服を着るときは、なんかちょっと大人の女の気分だし、母親から受け継いだシャネルのバッグもイイ感じに馴染んでいると思える。自分がその場に相応しい人間でいられる幸福を感じるのだ。あと、わたしはこの服をパーティ以外でも着るようになった。パーティ服が苦手すぎて、特別なときだけ着るもんだと思ってタンスの奥底にしまい込んでいた人間とは思えない。似合う/似合わないの先にある、コントロールできる/できないのレベルを楽しみはじめたわたし、マジ圧倒的成長。

もちろん、コントロールがうまくできないこともある(っていうか多々あります!)。帽子やアクセサリーの選び方は一ミリもわからないし、この立派すぎるいかり肩に合う服の形もわからない。あと、痩せていることを羨ましがられることもあるが、ガリガリの中年がみすぼらしく見えないためには、どうしたらいいんだろう。ああ、もっともっと修行が必要だ。

友人の結婚パーティに行ったときの、まあまあドヤ顔なわたし。超絶オシャレかはわからんが、及第点ではないでしょうか?どうですかみなさん?

友人の結婚パーティに行ったときの、まあまあドヤ顔なわたし。超絶オシャレかはわからんが、及第点ではないでしょうか?どうですかみなさん?

40歳が近づくにつれて、人生の方向性がなんとなく固まり、これ以上の楽しいこと、新しいことはあまりない、という諦念が働きがちだが、オシャレだけは違う。工夫すればしただけ、見返りがあり、楽しみが広がる。終わりがないから大変なんだけれど、終わりがないことは、希望でもある。そのことがわかっただけでも、この連載をやった意味があった。

というわけで、この先もコンサバ系ブランドのショップ店員に「そんな服、着たことないです〜」とか泣きごとを言っていこうじゃないか。めんどくさい客だなと思われようとも、わたしは変化し成長する人生を取る!そして、いつの日か「40歳までにオシャレになりたい(仮)!」から、「(仮)」の字を外してやろうと思っている(仮免卒業)。まあそれが40歳までにできるのか、ちょっとオーバーしちゃうのかは、わからないけれど。
今回気になったアイテム
  • 難易度高すぎて全く手が出せない白ジャケット。とくにノーカラーは、キャラに合わないと思っているのだが、いつか着られるようになる。なってみせる。

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  • ブレスレットとバングルの違いがよくわかっていない37歳(泣)。ゴツいけどオラオラしすぎない逸品を手に入れたいと思ってます!

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  • 日焼け対策するなら帽子は必須アイテムだと思うものの、なにをもって「似合う帽子」となるのか謎。試着しまくれば正解が見つかるのでしょうか……。

    日焼け対策するなら帽子は必須アイテムだと思うものの、なにをもって「似合う帽子」となるのか謎。試着しまくれば正解が見つかるのでしょうか……。
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半年間ご愛読ありがとうございました!
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トミヤマユキコトミヤマユキコ

ライター・大学講師。大のパンケーキ好きが高じて著したガイド本『パンケーキ・ノート』(リトルモア刊)が話題に。大学では少女マンガ・サブカルチャーについての講義を担当している。そのほか「週刊朝日」、「文學界」、「ESSE」などで書評・コラムを連載中。ファッションに対して積もり積もったコンプレックスあり。
Twitter @tomicatomica

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